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菓子皿/示現寺椿紋

(キメ彫り 室町時代)



切立盆/雀文


長手盆

薬師寺ぶどう唐草文



手鏡

罌粟文手鏡
(薬研彫り手法)



手鏡/菊桐文

(桃山時代)




菓子皿

(倶利彫り 桃山時代)




茶托



茶托



手鏡/梅





 
 
鎌倉彫
 鎌倉時代、中国から仏教の宗派である禅宗とともに伝来した伝統的な漆工芸である堆朱(ついしゅ)や堆黒(ついこく)の
 彫漆などの影響を受け木彫に漆を塗り重ね仏具を作ったのが始まりです。禅宗の寺院で香を入れる大きな香合等が主
 に作られていました。室町時代の末ごろには茶の湯が盛んになり茶道具として広まってきました。鎌倉彫が生活用品とし
 て見られるのは明治時代に入ってからです。 



用具・材料 内   容
彫刻刀  小刀 平刀 丸刀 三角刀 曲がり ナマゾリ 両刃
木地 昔はヒノキ、カエデ、ウメ、ケヤキ等緻密で堅い木を用いてたが明治頃からイチョウが多く使われるようになった。イチョウは大木になり材にねばりもあって狂いが少ない。裁ち板やまな板に使われるのもそのためである。最近は北海道産のカツラが多く用いられている。カツラは大木になり木質が軟らかく素直で彫り好いため。木地を選ぶときは @木目が柾目であること A木色にムラがないこと Bよく乾燥していること
砥ぎ 天然砥、合成砥と専用砥石が彫刻刀にあわせ何種類かある。こまめに研いていつでも切れる状態にしておかなくてはいけない。また砥ぎ方も彫刻刀にダメージを与えないよう十分注意する。刀が研げるようになってはじめて彫刻する資格が出来るとさえいえる。彫刻刀をみせそれにあった物を責任をもって店主に選んでもらう。
基礎刀法 送り刀、引き刀の二つによる線彫り(小刀)、送り刀は左親指で刀を押し送っていく、引き刀は右手で手前に引く切り方。平刀も丸刀もいつも左親指を刃の左側にそえ、右手で押すようにして彫る。
時代の彫り手法  建長寺獅子板彫り(鎌倉時代)
 円覚寺透かし彫り(室町時代)
 南禅寺推紅彫り(室町時代)
 示現寺椿彫り(キメ彫り室町時代)
 薬研彫り(彫漆彫り室町〜江戸時代)
 牡丹唐草彫り(室町時代末期)
 具利彫り(桃山時代)
 桃山彫り(桃山時代)
 片切り彫り薄肉彫り(江戸時代)
 後藤彫り(明治時代)
 三橋彫り(明治時代)
塗り(工程)   1.コクソ(木地のはぎめやキズ、節などの部分を保修する)
  2.コクソ削り(コクソの余分な部分を削り整える)
  3.木固め(柔らかく伸ばした生漆を塗り生地をしっかり固める
  4.ペーパーあて(漆が塗りやすいように肌を整える)
  5.キズ見(細かなキズを調べてつくろう)
  6.生漆塗り
  7.ペーパーあて
  8.生漆塗り2回目
  9.ペーパーあて
 10.黒中塗り
 11.炭研ぎ(炭、あるいは水ペーパーで塗肌を研ぐ)
 12.黒中塗り2回目
 13.炭あて(ペーパーあて)
 14.朱上塗り
 15.研ぎ出し(水砥粉を用い塗肌をなめらかにするため研ぐ)
 16.摺漆(生漆の上等=生上味を摺り込む)
 17.摺漆2回目
 18.仕上がり

※ 主婦の友 鎌倉彫教室(2年間受講) / 彫刻のみ ( 砥ぎ・塗りは砥ぎ師・塗り師 )


鎌倉彫年表

時代 西暦 歴史 事項

1192 頼朝征夷大将軍となる
このころ宋との間に文化交流盛ん
藤原末期より平等院、京都金剛院に見られる仏像、台座、天蓋、光背等に宝相華等の優れた装飾彫刻が施された。
1253
建長寺造営 獅子牡丹須弥壇(建長寺)
1282
円覚寺造営 牡丹州秀彫須弥壇(円覚寺)
1336 足利尊氏京都に幕府を開く 天竺牡丹文前机(円覚寺)
唐草大前机(円覚寺)
1341 天竜寺船を元に派遣 牡丹文前机(建長寺)応永35年(1428) 
1397
義満金閣寺造営 透彫朱塗机(岩王寺)永享4年(1432)
グリ香合(金蓮寺)文明13年(1481)
グリ香合(知恩院)永禄7年(1564)
唐物漆芸品は当時の上流階級の座敷飾り、儀式、茶道具として珍重された。著名なものは牡丹香合(県立博物館)
獅子牡丹文四方硯台(鎌倉国宝館)
牡丹香合(大佛次郎)等がある。

1578
椿文笈(神奈川県立博物館)
1585
秀吉関白となる 椿文笈(示現寺)(中尊寺)
1587
利休等により茶道盛んとなる。

1603 家康征夷大将軍となる。 桶(鎌倉彫会館)火鉢(鎌倉彫会館)
工芸品は宮庭、公家、武家の社会によらず広く町人の生活にも茶道具、日用品として浸透した。
1633 鎖国令 四方香合(鎌倉国法館)
茶入(鎌倉彫会館)

1868 江戸を東京と改める
神仏混最済禁止令
平菓子器、碁器、等々
産業経済発展により、ひらけた別荘地鎌倉の愛好者の積極的な努力により工芸品鎌倉彫の名声は高まった。
また、このころより木地業、塗装業、彫刻の分業が始まった。

1912

1926
1945 第二次世界大戦終了 大戦により打撃を受けた鎌倉彫も根強い愛好者と業者の積極的努力によって組合の設立、後継者の育成、趣味の鎌倉彫教室等々確実に発展し続けている。
1968