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十六井戸
伝承では金剛功徳水と称し観音菩薩が中興開山に夢に告げて曰く
「末世の衆生信心つたなくして身に難病を受けて定業を終えずして死す、故に弘法大師に告げ、金剛功徳水を以って加持し、この水を授け、薬を煎じて与えれば悪病ことごとく蕩除けたのだが、鎌倉は数度の天災のためこの井埋もれり禅師願わくはこの井を掘り出し掃除をなさば、清水湧き出て再び霊験あらわれん」と。
夢から覚めた禅師がその通りにすると観音菩薩像が出現し窟中の水を加持し衆生に施したところ霊験あらたかであった。
察するに、その数十六とは、十六(金剛)菩薩(薩・王・愛・喜・寳・光・憧・笑・法・利・因・語・業・護・牙・拳の各菩薩)を表現しているものでその菩薩に供え捧げる水が閼伽(あか)という功徳水である。
海蔵寺略縁記より
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